幻聴・幻覚のリアルって見方を変えるとちょっと苦しみ減るのかも!?
幻聴・幻覚がある患者さんは沢山います。
私は訪問を始める前から精神科病棟に長年勤めていたので数多くの幻聴・幻覚を患者さんを介して看て来ました。
もちろん大半が苦しめられている方が多いものです。
このDVDは准看護学校の頃精神科看護を教えてくれた先生が授業で見せてくれて衝撃的な結末が記憶に色濃く残った作品です。
まさに幻聴幻覚についての今までの感覚を変えてくれた作品です。
当時私は准看護学校に通いながら精神科でアルバイトをしており、これを見てから精神科看護にも変化が現れた、私の精神科看護の原点とも言えます。
精神疾患というものは、数値に表されたりフィルムに映ったり、目に見えて痛々しいものでもないし、薬を飲んで速攻で治るものではありません。
もちろん、それと同様に病気になるメカニズムだって「◯◯したら◯◯となる。」みたいに絶対や確実なものもありません。
とても繊細でとても複雑です。
「幻聴・幻覚」
この症状も第三者目で見てわかるものではないですが、長くこの仕事に携わっていると、(あ、聞こえてるんだな。見えてるんだな。)っていうことぐらいはわかるようになりました。
Uさん 50代 女性 統合失調症(慢)
可愛らしく、穏やかで精神状態はほぼ落ち着いています。
でも常日頃、幻聴が聞こえています。
Uさんは「幻聴さん」と親しみを込めて表現します。
去年、幻聴さんに「薬を飲むな」と言われ、幻聴さんに支配されてしまい薬が飲めなくなり半年感入院しました。退院後も幻聴さんはいなくなることはないようですが、悪いことは言わなくなったそうです。さらに詳しく幻聴さんの話をしてくれた先日。
Uさん「幻聴さんはね10人ちょっといてはりますねん。もー一人ずつ話してほしいくらいうるさい日もあるんですww大体は一人づつ日替わりで話すねんけど。だけどー家にいたら話す人いないでしょ?だから一人の時は結構役に立つのよ、話し相手にwwでもね、最近この病気の人増えてるでしょう。だから幻聴さんも転勤であちこちいかはりますねん。だから私のとこも大分人数減りましてん。このままいくとあと1年で治るよって幻聴さんから聞いてますww」
幻聴・幻覚のある方は現実世界ともう一つ世界を持っているので、幻聴・幻覚のない人よりも多大なエネルギーを消耗して生きていると思うのです。
幻聴に耳を傾けてはダメだとしつこく言ったところで、当事者にしてみれば板挟みのような状況。
医療の進歩でお薬が解決してくれる場合もあります。
だけど、一看護師としてその現実も忘れてはいけないことだと感じています。
Uさんに聞いてみました。
y「幻聴さんってなくなったらどんな感じかな?話し相手になってるんだったら寂しく思ったりするんじゃない?」
ーーーーしばらくフリーズしてーーーー
U「でもやっぱりうるさいからねー!いなくなってくれた方がいいかな!お薬飲まなくなって楽になるし!」
やっぱりいないに越したことはないけれど、幻聴・幻覚が無くなるまでの間って少し考え方を変えて上手く付き合う方法が見つかれば苦しみやエネルギーは削減できるのかもしれないと思うのでした。
[yome]